小児科専攻医プログラム連携施設
手稲渓仁会病院
手稲渓仁会病院小児科は、小児病棟27床、NICU6床、GCU6床、ICU全16床のうち小児用ベッド4床を有し、一般小児医療のほか、小児集中治療専門医、小児循環器専門医、小児アレルギー専門医、小児内分泌専門医を中心にそれぞれの専門領域の診療も行っております。特に重症小児の集中治療は力をいれており、2021年4月より「こども救命センター」を開設し、道央圏はもとより北海道の小児重症疾患の救急・集中治療を担うことを最重点業務としております。今年度は、症例の共有やdiscussionを気軽に行えるべく道内各病院と連携を強め、また迎え搬送を含む円滑な患者搬送体制を整えていきたいと考えております。道内における小児集中治療医の人材育成も重要な使命であると考えており、2022年度から小児集中治療研修プログラムを立ち上げ、北大をはじめ他施設からの小児科医の受け入れも始めました。
メンバー
上野 倫彦 | 平成3年卒、 小児科主任部長・こども救命センター長 |
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長谷山 圭司 | 平成5年卒、 小児科部長・母子はぐくみセンター長 |
非会員 |
齋 秀二 | 平成11年卒、小児科部長(外来医長) | |
田村 卓也 | 平成13年卒、 小児科部長・小児集中治療科長・こども救命センター副センター長(病棟医長) |
非会員 |
小杉山 清隆 | 平成7年卒、小児科主任医長 | |
大谷 杏奈 | 平成16年卒、小児科主任医長 | 非会員 |
及川 純子 | 平成18年卒、小児科主任医長 | 非会員 |
和田 宗一郎 | 平成20年卒、小児科主任医長 | 非会員 |
荻原 重俊 | 平成21年卒、小児科主任医長 | 非会員 |
武知 峻輔 | 平成24年卒、小児科主任医長 | 非会員 |
松澤 まき | 平成24年卒、小児科医長 | |
南雲 淳 | 平成1年卒、医員 | |
七野 紀之 | 平成29年卒、医員 | 非会員 |
宇留野 里奈 | 平成31年卒、医員 | 非会員 |
金 潔駿 | 令和2年卒、医員 | 非会員 |
出戸 幸恵 | 令和4年卒、医員 | 非会員 |
中川 周 | 令和4年卒、医員 | 非会員 |
<非常勤医師>
永島 哲朗 | ||
白石 秀明 | ||
藤原 ふみえ | ||
山根 麻子 |
<院外研修中>
川口 祐嗣 | 令和3年卒 |
医長より
手稲渓仁会病院は札幌市の北西部・手稲駅の目の前に位置し、全病床670床、小児病棟27床、NICU6床、GCU6床、ICU全16床のうち小児用ベッド4床を有し、ドクターヘリ基地を併設した急性期型の大規模病院です。私達小児科は、いわゆる一般小児医療のほか、小児集中治療専門医、小児循環器専門医、小児アレルギー専門医、小児内分泌専門医を中心にそれぞれの専門領域の診療も行っております。特に重症小児の集中治療は力をいれており、2021年4月より「こども救命センター」を開設し、道央圏はもとより北海道の小児重症疾患の救急・集中治療を担うことを最重点業務としております。様々なバックグラウンドをもった医師17名と多職種で連携し、各人が尊敬し合い、助け合いながら診療するよう心掛けております。
また小児科専攻医育成の基幹病院にもなっており、教育にも力をいれております。臨床現場では,指導医のもとで研修医/専攻医がcommon diseaseから稀少疾患・重症疾患まで、多くの患者さんと接することができる体制を維持出来るようにしています。教育カンファレンスにも力を入れており、指導医のレクチャーや、屋根瓦式の教育体制の下、専攻医が初期研修医に指導をすることで自分自身の学びにつながるよう努力しています。そのほか、週1回英語による教育回診を行ったり、連携しているテキサス大学へ短期留学も派遣したりしております。また、リサーチカンファレンスも2ヶ月毎行っており、学会発表や論文作成など学術活動も積極的に行っております。
さらに当院小児科としては、道内における小児集中治療医の人材育成も重要な使命であると考えており、2022年度から小児集中治療研修プログラムを立ち上げ、北大をはじめ他施設からの小児科医の受け入れも始めました。小児集中治療に興味がある方は、まずは是非ご見学にいらしてください。
小児科主任部長・こども救命センター長 上野倫彦
専攻医・後期研修医より
私は2023年4月から小児科専攻医として手稲渓仁会病院で研修を行っており、現在は市立札幌病院NICUで新生児医療の研修を行っています。私は北海道出身であり道外での初期研修を終え、道内での小児科後期研修を希望していました。当院を選んだ理由は、小児集中治療部門を有し、幅広い症例を経験できる環境が整っているからです。
当院での研修では、基本的な小児総合診療の経験を積むことはもちろん、各専門領域の疾患や道内各地から搬送される集中治療を要する重症例のマネジメントについても学ぶことができます。病棟はチーム制となっており、個々の症例に対して各専門領域の先生からフィードバックを受けることができ、症例毎にステップアップを実感できます。また、隔週で行われる症例シミュレーションやレクチャーは実践に直結する内容であり、専攻医として確実に成長できる環境です。また、短期国外留学や英語回診、研修医レクチャーなど、教育・学術面の取り組みにも力を入れており、医師としてバランスの取れた成長が期待できます。
当院は、独自の研修プログラムを有するほか、北大小児科の関連病院でもあります。common diseaseから集中治療管理まで幅広く診療経験を積むことができる環境ですので、ぜひ一度見学にいらしてください。当院の魅力を直接感じていただけたらと思います。
手稲渓仁会病院 小児科専攻医2年目 川口祐嗣
私は北海道大学の医局員として小児科研修を行なっておりました。そのため地方都市での勤務も多く、限られた資源と人数で重症小児を診察せざるを得ない場面に遭遇することもあり、その度に知識と経験が足りず悔しい思いをすることもありました。そういった経験から小児集中治療を勉強したいと希望し、2023年4月より手稲渓仁会病院で1年間の研修をさせていただきました。
手稲渓仁会病院小児科には小児集中治療を専門とする医師が3人(現在は4人)在籍しており、北海道の小児科研修病院としては最多となっています。そのため北海道各地から小児重症患者の診療依頼があり、挿管人工呼吸器管理・腎代替療法・体外循環など小児集中治療医がいない場所では行うことが難しい貴重な経験を積ませていただくことができました。
渓仁会病院では転院搬送を受けるだけではなく、お迎え搬送も積極的に行なっています。患者搬送は医療圏が広域となる北海道の小児医療において避けることができませんが、準備の段階から小児集中治療専門医が何に注意をしているのかを学ぶことができ、「ただ患者を運ぶ」といった単純なものではなく、搬送医療として北海道で働く小児科医師こそが学ばなければいけない重要な分野であることを認識することができました。
上記のような実臨床で教わるだけではなく、レクチャーによりマニュアル通りの対応ではないしっかりとした知識を身につけ、シミュレーションにより体を動かして重症症例への対処法を覚えることもできます。これの座学と実技で重症症例をただ経験した、で終わることなく確実な自分の力として蓄積できることは強みであると感じました。
他に集中治療研修の一環として、渓仁会病院麻酔科での研修も受け入れていただき、挿管を含めた手技はもちろんのこと、呼吸・循環管理の考え方について小児科とは違う面から2ヶ月間しっかりと勉強することができました。その上で子ども総合医療・療育センターで1ヶ月間小児麻酔の研修もさせていただき、こちらも大変貴重な経験となりました。
上記のような小児集中治療領域だけではなく、小児科全体としてもスタッフ・後期研修医を含め、和気藹々とした雰囲気で指導体制も整っておりとても働きやすい環境です。小児科病棟ではチームでの診療を行なっており、色々な視点から1例ごとの症例を勉強することができます。また小児循環器チームもあり、心カテやCHD患者の管理などを勉強することもできます。当院での研修で小児科後期研修としては十分な経験ができ、どこに行っても困ることのない実力をつけることができると思います。ぜひ当院での研修を検討ください!!
北海道大学病院循環器班(2023年度 手稲渓仁会病院小児科小児集中治療研修プログラム) 鈴木祐人