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11/2 集談会(井口晶裕先生)のご案内

第172回 特別集談会

2023年11月2日(木) 18:00-
第3講堂(北大医学部臨床講義棟)
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国立成育医療研究センター 小児がんセンター 血液内科
井口 晶裕 先生

『非腫瘍性疾患に対する造血細胞移植 -合併症軽減を目指して-』


 日本における小児領域の同種造血細胞移植(SCT)は年間約500例に行われている。そのうち約半数が白血病などの腫瘍性疾患に行われており、依然として難治性腫瘍性疾患においてはSCTが治癒への切り札であることには変わりはない。しかし化学療法の進歩、分子標的薬の登場、CART療法などの免疫療法の登場などにより、腫瘍性疾患に対するSCTの適応は狭まりつつある。
 その一方で免疫不全、代謝疾患、造血障害などの非腫瘍性疾患に対するSCTは緩やかに増加しており、非腫瘍性疾患におけるSCTの成功はほぼイコール原疾患の治癒に繋がる。SCTにおける合併症の克服はSCTの成功の鍵であり、特に小児や非腫瘍性疾患においてはその重要性は高く社会からの期待も大きいものの、少子高齢化によるドナー不足のためHLA一致ドナーが得にくくなっており、より合併症のハイリスクとなる代替ドナーからのSCTとせざるを得ない症例が増加している。
 本講演では、特に小児における非腫瘍性疾患に対する造血細胞移植の現況と課題を概説し、国立成育医療研究センターにおける移植合併症軽減に向けた取り組みやそのひとつとしてのTCRαβT細胞&B細胞除去によるハプロ移植について紹介したい。