丸尾 優爾先生(循環器班)の論文が掲載されました。
丸尾 優爾先生の論文がBiological and Pharmaceutical Bulletinに掲載されました。
Maruo Y, Shiraishi M, Hibino M, Abe J, Takeda A, Yamada Y.
Activation of Mitochondria in Mesenchymal Stem Cells by Mitochondrial Delivery of Coenzyme Q10.
Biol Pharm Bull. 2024;47(8):1415-1421.
doi: 10.1248/bpb.b24-00284. PMID: 39111843.
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丸尾 優爾 先生からの一言:
循環器グループでは、薬剤分子設計学研究室の山田勇磨教授と10年以上に渡り、心筋ミトコンドリアに対する薬物送達について共同研究を重ね、ミトコンドリア機能を活性化した心臓由来細胞を開発し、その有効性について動物モデルを用いて実証してきました(Abe J. et al., J Control Release. 2018; Sasaki D. et al., Sci Rep. 2022; Shiraishi M. et al., J Control Release. 2024)。
今回、今後の臨床応用を見据えて、すでに臨床で実用化されている間葉系幹細胞に新たに着目しました。
間葉系幹細胞は、幹細胞としての多能性の他に免疫調整能も有しており、様々な疾患への応用が期待されています。
今回の研究では、その間葉系幹細胞のミトコンドリア機能を活性化することに成功しています。
本論文は、Biol. Pharm. Bull.誌の「Featured Article」として掲載され、「雑誌表紙イラスト」(Vol.47 No.8)としても選出「雑誌表紙イラスト」(Vol.47 No.8)されました。
また、本研究につきましては、第40回日本DDS学会学術集会でもその一部を発表させていただき、ジャーナル賞(STAM Young Scientist賞)を受賞させていただきました。
今後の研究については、バイオ医薬品を製造している民間企業との臨床応用を見据えた共同研究も2024年度から開始となっております。
宮田心臓病研究振興基金からの研究助成(Miyata Foundation Award 日本小児循環器学会研究奨励賞)も受賞させていただくことができ、2025年度からは新たな研究プロジェクトも開始していく予定です。
ミトコンドリア機能を改変した移植幹細胞の有効性について、阿部先生のご指導のもとで後輩の先生方とも協力しながら、in vivo実験を通して実証することを目指し、その先にヒトへの臨床応用へ向けた革新的な橋渡し研究を北大病院で行うことを目標としています。
丸尾先生、おめでとうございます!