8/31 集談会(西條政幸先生)のご案内
第168回 特別集談会
2023年8月31日(木) 18:00-
北大医学部臨床講義棟 第3講堂
※現地開催のみとなります
札幌市保健福祉局 医務・健康衛生担当局長
国立感染症研究所 名誉所員(前ウイルス第一部長)
西條 政幸 先生
『新規ウイルス感染症,重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome)の発見から10年:発見の経緯から抗ウイルス薬治療の臨床応用』
重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome SFTS)は,2011年に中国の研究者らにより初めて報告された旧ブニヤウイルス科旧レボウイルス属(現フェヌイウイルス科バンダウイルス属)に分類されるSFTSウイルス(現ダビエバンダウイルス)による新規感染症である.2012年海外渡航歴のない50歳代の女性が多臓器不全で死亡し,その原因を詳細に調べたところ,SFTSに罹患していたことが明らかにされた.日本でSFTSが流行していることが明らかになった.現在では毎年,主に西日本で100名前後のSFTS 患者が確認されているが,近年千葉県や富山県からも患者が報告されている.詳細な疫学調査ではSFTS患者の致命率は25-30%である.SFTSはエボラウイルス病やクリミア・コンゴ出血熱と同様にウイルス性出血熱に分類されるべき感染症である.
SFTSの日本における流行の発見から10年が経過した.これまで私たちが行ってきた基礎的,疫学的,臨床的研究について,特に抗 ウイルス薬ファビピラビル(アビガン™ 富士フィルム富山化学)の医師主導型臨床研究について紹介したい.SFTS患者がファビピラビル治療を受けられる環境が整備されつつある .新規疾患を発見することにより何ができるのか,何を為すべきかの,その可能性と責任についても解説したい.
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