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6/28 集談会(中野嘉子先生)のご案内

第166回 特別集談会

2023年6月28日(水) 12:00-13:00 ※日中の開催です
参加方法については こちら をご覧ください

『Pediatric cancer predisposition について』

トロント小児病院
(Cancer Genetics, Division of Haematology/Oncology, The Hospital for Sick Children)
中野 嘉子 先生

 小児がん患者の少なくとも10%において、がん発症に関連する遺伝子に生殖細胞系列の病的バリアントをもち遺伝学的にがんを発症するリスクが高いこと(predisposed to cancer )が知られている。ゲノム医療の普及にともない、遺伝性腫瘍について情報提供や診断が求められる機会は小児がんの臨床現場において増えてきている。しかしながら、本邦では遺伝学的検査やサーベイランスなどの提供体制が十分には整っていないのが現状と考えられる。遺伝性腫瘍の診断は、腫瘍の治療方針に影響を与える可能性があるだけでなく、その後のフォローアップの方針にも影響し、また血縁者の診断にもつながり得る。医学的管理だけでなく、心理面、経済面、様々なライフイベントにおける意思決定にも影響する可能性があり、多様な側面からの支援体制が求められる。
 今回は、小児のcancer predispositionに対する臨床を中心に、その概要、本邦で実施されている研究、また遺伝性腫瘍の診断やサーベイランスが積極的に実施されているトロント小児病院の取り組みなどについて紹介する。