12/16 特別集談会(上田 佳代 先生)のご案内
第147回特別集談会
2021年12月16日(木) 18:00~
「臨床と連携した環境疫学研究で解明する大気中粒子と人の健康との関わり」
北大医学部 衛生学教室 上田 佳代 教授
【要旨】
私たちは呼吸により常に大気中に漂う粒子に曝露されています。
公害の時代には、大気汚染に含まれる粒子状物質が呼吸器疾患(ぜん息、慢性閉そく性肺疾患)の発生や増悪をきたすことが、細胞や動物を用いた実験研究や人のデータを用いた疫学研究で明らかになりました。
近年では、粒子径が2.5μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)や、さらに小さなナノレベルの粒径を持つ超微小粒子状物質(UFP)が呼吸器疾患・肺がんだけでなく、循環器疾患、糖尿病、認知機能、周産期疾患など様々な臓器に影響を与える可能性を示す研究が報告されています。
人のデータを用いた疫学研究は、大気汚染による健康被害の有無(因果関係の有無)を集団レベルで推論だけでなく、濃度-反応関係を明らかにすることにより、健康被害の程度を把握するために行われ、大気清浄化の対策に反映されてきました。
今回、私たち研究グループが進めてきた大気環境疫学研究について概説いたします。
その中で、臨床の疾患登録や検査データを大気汚染物質の情報とリンクさせることにより、曝露から疾患発生に至るメカニズムまで明らかにする試みや今後の展開についても紹介したいと思います。
参加方法については こちら をご覧ください。