7/20 特別集談会(氏家 英之 先生)のご案内
第139回特別集談会
2021年7月20日(火) 18:00〜
「アトピー性皮膚炎の病態と治療:Biologics時代を迎えて」
北海道大学 皮膚科 氏家 英之 教授
【ご講演内容】
アトピー性皮膚炎は、表皮バリア機能障害を伴うアレルギー性皮膚疾患です。保湿を主体としたスキンケアやステロイド外用、タクロリムス外用が治療の中心ですが、病態解明が進むにつれて、様々な因子をターゲットとした治療薬が臨床応用されつつあります。
掻破の刺激を受けた表皮角化細胞はAlarminと呼ばれるIL-33やTSLP、そしてIL-25を産生し、2型自然リンパ球を介してTh2細胞優位のType 2炎症を誘導します。
Th2細胞に由来するIL-4やIl-13、Il-31は神経に直接作用し痒みを引き起こすことが知られています。
IL-4やIL-13を阻害するDupilumabや、その下流のJAKを阻害するDelgocitinibやBaricitinibは
炎症や痒みの抑制に加え、皮膚バリア機能の改善も期待できる薬剤として注目されています。また、新たな治療ターゲットであるIL-31も、痒みのみならずバリア機能との関連が示唆されています。
新規薬剤が次々と上市される中で、各薬剤の作用機序や特徴を十分に理解したうえで治療選択を行っていく必要があります。一方、15歳未満の小児においては依然として外用療法が治療の中心であり、ステロイド外用剤を用いた寛解導入療法、寛解維持のためのプロアクティブ療法、保護者を含めた患者教育や生活指導が重要です。
アトピー性皮膚炎の病態や最近の治療法の進歩について紹介し、今後の治療戦略について考察したいと思います。
参加方法につきましては こちら をご覧ください。