北大以外の医学部出身者
奥川 七海 先生京都府立医科大学 2022年(令和4年)卒業
私は15歳で生まれ育ったカナダから母の実家がある大阪に引越し、京都府立医科大学に進学しました。北海道は縁もゆかりもありませんでしたが、涼しい所に行きたかったことと、当時お付き合いしていた現在の夫が札幌出身のこともあり、初期研修は北大のタスキコースに就職しました。1年目は北大小児科の関連病院で、虐待対策に積極的に取り組んでいること、周囲に大学がないため専門的な診療も行われていること、そして困った症例は大学と連絡を取りながら診療していることが印象に残りました。2年目は大学病院でしたが、道内各所で診断されたまれな疾患の患者さんが集まっていました。小児科は臨床のイメージが強かったですが、臨床に直結するような研究も行われており、初めて研究に興味を持ちました。
北海道は住みやすくこのまま居続けたいと思いました。他の小児科プログラムがある他の施設も考えましたが、あまりにも北大小児科の雰囲気が良く、ここで働くイメージがしっくりきたので、研修医2年目の春に早々と入局しました。
4月から市立札幌病院で後期研修を開始しましたが、やはり指導熱心で尊敬できる先生方ばかりで感動しています。大学と連携して開催される勉強会もたくさんあるので、一般診療をしながら自分が興味を持っている専門分野の勉強もしやすいです。
北大小児科では幅広い分野で様々な形で働いている先生がいるので、必ず自分の将来像が見つかると思います。道外出身の人や北大以外の出身の人の割合が大きいので、疎外感は全く感じません。ぜひ見学だけでもいらしてみてください。
藤田 大輝 先生旭川医科大学 2020年(令和2年)卒業
私は北海道苫小牧市で生まれ育ち、旭川医科大学を卒業しました。旭川医科大学は道東、道北の関連病院が主体のため、地元周辺になんとなく戻りたい気持ちがあった私は入局先として北海道大学か札幌医科大学を意識していました。卒業後は市立札幌病院(小児科は北大関連)で2年間初期研修を行い北大小児科の先生方の下で研修して、雰囲気がとても良く、こどもに一生懸命な姿に惹かれて、北大小児科への入局を決めました。
学外からの入局だったので最初は「北海道大学」という漠然とした壁みたいなものを勝手に感じていました。しかし実際に働いてみると出身大学なんてまったく関係なく、先輩の先生方からは非常に丁寧かつ熱心に日々ご指導を頂いています。これまで釧路赤十字病院と帯広厚生病院で勤務してきましたが(現在は再び市立札幌病院)、最初に勝手に感じていた壁はいつしか消えていました。私と同じく学外からの入局者も意外に多くて驚きました。北大小児科の関連病院にはNICUが併設されている施設が多いです。道内他大学の関連病院との大きな違いではないでしょうか。一般小児領域の感染症だけではなく、新生児医療も深く学ぶことができます。超低出生体重児や先天性心疾患などを持って生まれた赤ちゃんの治療は大変なこともありますが、その分成長を見守りながら多くのことを学び、得ることができると感じています。
北大小児科関連病院は札幌、旭川、帯広、釧路、北見、室蘭、函館など、道内の比較的大きな町にあります。毎度引越しは大変ですが、その土地でしか食べられないものを食べ、観光して、色々な人と出会い、とても充実した日々を送ることができます。
小児科医としてスキルアップしていく環境が北大小児科には十分にあります。北大出身者に限らずどんな方でも大歓迎です。お待ちしています。
釧路時代
髙橋 和樹 先生札幌医科大学 2018年(平成30年)卒
初期研修中に北海道大学小児科で1か月間臨床研修をする機会がありました。他大学出身のため、知っている先生もいなく、初日はとても緊張しましたが、たくさんの優しい先生方に温かくお出迎えしていただきました。肩の力も抜け、楽しい1か月間を過ごすことができました。そこで現在KKR札幌医療センターで勤務されている竹崎俊一郎先生とお会いして、一緒に働きたいと感じました。
また、北海道大学小児科にはたくさんの専門分野があり、かつ、それぞれの専門領域間の垣根が低いことも魅力に感じました。あるカンファレンスにおける体重の増え方が悪い子どものディスカッションでも、神経、心臓、内分泌、免疫などそれぞれの班がそれぞれの視点で評価、助言が行われていたことが印象的でした。
様々な働き方という点では、同門の公文先生がケニアでご活躍されています。僕も見学に行きました。
公文和子先生
ケニアで「シロアムの園」を設立・運営され、障がいを持つお子さんやご家族と長年向き合っていらっしゃいます。(公文先生のご厚意で、掲載許可をいただいております)
後期研修では1~2年毎に色々な関連病院で勤務することができます。年次の近い先輩後輩や同期とわいわい楽しみながらも、上級医の先生方からは適切なフィードバックを受けることができます。新しい病院での勤務が始まると、今まで当たり前と思っていた手技や点滴の一つ一つが各病院で違っていたりします。その際に「なんでだろう?」と疑問を持つことで、新たな知見が生まれることもよくあります。
また、学閥のようなものは全くないです。この原稿の依頼が来た際に、そういえば自分は他大学出身だったな、と思い出したくらいです。
小児科1年目は糖尿病や甲状腺機能亢進症、炎症性腸疾患、若年性特発性関節炎の初発や早産・超低出生体重児の赤ちゃんなど小児科・新生児科医として経験すべき症例を幅広く経験しました。小児科2年目・3年目では臨床だけでなく、学会発表を6回、英語論文執筆の経験をさせていただきました。学生時代、初期研修医時代に学術的なことを全くやってこなかったので、何もわからない状態からのスタートでしたが、上級医の指導の下、貴重な経験をさせていただきました。
後期研修が終わり、現在は大学院生として免疫班に所属しています。大学病院での入院患者、道内各地で困っている症例の相談、地方病院での専門外来などを行っています。また、大学院生として基礎研究も行っています。基礎研究というと、臨床とは全く別のもので敷居がとても高いもの、という印象を持っていましたが、臨床の現場で実際に困っていることや疑問を自分の手で解析するなど、日々の臨床と繋がっているんだな、と実感しています。
他大学からの入局は不安もあるかと思いますが、北海道大学の小児科は出身大学の垣根がないので心配はいりません。北大小児科では専門分野のみならず小児科医として幅広い疾患を経験することができます。若手や学生向けの勉強会や交流会もたくさん開催されています。病院見学を含め、ぜひ気軽にお越しください。
板橋 立紀 先生弘前大学 2017年(平成29年)卒業
私は北海道出身ですが、入学した大学は青森県にある弘前大学で6年間地元を離れました。初期研修で研修病院を探しているときに、やはり北海道の地で医師として働きたいと思い、KKR札幌医療センターで研修を行いました。そこで北大小児科の先生方と出会い、医局説明会にも参加させていただきました。北大小児科は全道各地の中核都市に多数関連病院があり、また様々なサブスペシャリティーのグループがあるため、非常に魅力的と思い入局させていただきました。
入局する前は出身大学ではないことに、少し不安を感じていました。しかし実際に働いてみると、学閥のようなものはなく、とても良い環境で働かせていただいております。後期研修医の間は、1年程度のスパンで関連病院をローテートします。年次が近い相談しやすい先輩方に、手取り足取り教えていただきながら、また上級医の先生方から叱咤激励をいただきながら、経験値を上げて、知識やスキルを身につけることができます。出身大学関係なく、やる気次第で、上級医の先生方にサポートをしていただきながら、様々なことに挑戦できると思います。
釧路赤十字病院の先生方
市立千歳市民病院の先生と白石先生
帯広厚生病院の先生方
北大小児科は小児科医として成長するのに、最適な環境だと思います。学生さんや研修医向けの勉強会、医局説明会が開催されていますので、ぜひ参加していただければと思います。出身大学関係なく一緒に働いて下さる先生方、いつでもお待ちしております。
北日本小児科学会野球大会3位(2019年)
全国学会デビュー